ベンチャーCTOになるために必要な経歴は?企業価値100億円以上のスタートアップキャリア分析

 

大手企業からスタートアップへの人材流入がブームとなってからしばらく経つ。
この記事の読者には、スタートアップに勤めている人はもちろんのこと、大手企業からスタートアップへの転職を考えている人やスタートアップで働くことに興味関心の高い人も多いのではないのだろうか。

さて今回も、スタートアップの中でも経営幹部クラス、CxOと呼ばれるスタートアップキャリアに注目していきたい。

会社の技術的ポジションのトップでもあり、経営にも携わるスキルを備えるCTO(最高技術責任者)になるためには、どのようなキャリアを歩んでいけばいいのか。

日本経済新聞が公開するNEXTユニコーン企業の情報を元に、企業価値100億円以上のスタートアップのCTOを分析していく。

本記事では、45社中29社のスタートアップCTOに注目して、スタートアップのCTOのキャリアを分析していきたい。

 

スタートアップCTOの経験社数は全部でいくつ?

下記のグラフを見ていただきたい。


現在、企業価値100億円以上のスタートアップCTOを勤めている彼らの多くが、1~3社のキャリアを経て現在CTOとして活躍している。

会社のコーポレートサイトを見ていると、CTOには他の職種と比べて若い人材がたくさんいるのが見受けられる。

必修化した「プログラミング授業」が裏付けるように、今や若いうちからプログラミングに触れる人々が増えてきた。

そのため、幼いうちからプロ顔負けの人材へと成長できる。

また、上のグラフからもわかるように、スタートアップのCTOを目指すにあたり「経験社数」はキャリア形成にそこまで影響は及ばない。

スタートアップのCTOという職種は、どれだけ多くの会社を見てきたかというよりも、1社でどれだけの技術を駆使して新たな知識を吸収できたかがキャリアアップに繋がるのではないだろうか。

そして、それを短期間で習得できるかが肝にもなってくる。

では次に、少し視点を変えて「スタートアップCTOになるまでのキャリア遍歴」を項目に分けて分析していく。

 

スタートアップCTOになるまでのキャリア遍歴

 

・最終学歴


スタートアップCTOの学歴で注目すべきところは、意外と大学院卒が多いという点だ。

全体の20%以上が、大学卒業後あるいは社会に出てキャリアを積んでいる最中に大学院に通い、そして卒業をしている。

さらに、大学院を卒業したスタートアップCTOのうち4人が博士を取得している。

スタートアップCTOならではの学歴ではないだろうか。

 

・役員経験数

では、スタートアップCTOのうち、役員を経験したことのある人は何人いるのだろうか。


なんと、半数がこれまで役員の経験があるというのは驚きだ。

やはりスタートアップのCTOになる人材は、CTOになるまでに一度以上は経営に関わるポジションを経験する必要があるのではないだろうか。

ただのエンジニア、ただの技術者ではなく、CTO。

CTOだからこそ、会社全体を見ることのできる人材でなければならない。

ちなみに、「役員経験あり」の内訳として
会社を自身で創業したことのある人は4人。
現職CTOの前に一度以上CTOを経験したことのある人も5人。
そして、その他執行役員の経験がある人は4人。

スタートアップのCTO自身に起業経験がある、別の会社でCTOの経験があるというのは即戦力となりうる。

 

CTO人材を輩出しやすい企業は?

 

企業価値100億円以上のスタートアップCTOのキャリアを分析していて、よく目につく企業がいくつかあった。

その中でもひときわ目立っていたのが、GREE、Yahoo!、そしてソニーだ。

ソニーと言えば、ソフトウェアエンジニアを目指す人間にとって”自由闊達な理想工場”、エンジニアが自由に活躍できる会社、日本のメーカーなのにソフトウェアもちゃんとつくれる会社のイメージがあるので頷ける。

また、ゲームやメディア事業で今や大手企業にも負けないGREEやYahooに“できる”エンジニアが集まる・エンジニアが大きく成長する環境が整っているのではないだろうか。

 

注目のスタートアップCTO

 

ここでは、スタートアップCTOでかつ起業経験もあるCTOの4人に注目していきたい。
前述の通り、CTOは通常のエンジニアなどの技術者とは異なり、経営のことまで把握する能力が試される。そのため、過去に自身での起業経験があるCTOは強いのである。

 

南野充則さん    FiNCテクノロジーズ

東京大学工学部卒
大学在学中にヘルスケアスタートアップ、株式会社MEDICA及びCDSystem株式会社を創業。東京大学在籍中に北京大学で開催されたスマートグリッド分野における国際学会で世界一の座を争い「BEST STUDENT AWARD」を受賞する。 2016年8月に、国内初となるウェルネス・ヘルスケア領域に特化した人工知能研究所「FiNC Wellness AI Lab」を設立。 2017年、ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指す団体、「日本ディープラーニング協会」最年少理事に就任。2018年9月にFiNC代表取締役CTOに就任し、現在に至る。

 

浜本 階生さん   スマートニュース

2005年、東京工業大学工学部情報工学科卒業
Rmake取締役を経て、12年に「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションに同社(旧ゴクロ)を共同創業。

 

野澤貴さん    株式会社origami

慶應義塾大学大学院在学中にIPAが主催する「未踏ソフトウェアプロジェクト」に採択された4名のメンバーが中心となり、2006年、モバイルアプリ開発基盤などを手掛けるネイキッドテクノロジーを創業。2011年、同社がミクシィの子会社になったことを受け、分析基盤作りなどに携わるように。翌2012年に退社し、Origami創業に参画。現職に就任

 

新堀 勝さん    株式会社favy

1980年生まれ。最終学歴は高卒。 1999年九十九電機でパソコンショップ店員のアルバイト中にHTML言語を覚え、ウェブ制作担当としてフリーマーケット団体に転職。 2001年、一部のメンバーと有限会社ルートゼロを起業。同年の11月か12月に休眠。2002年4月、株式会社アイレップにSEOエンジニアとして入社。半年の在籍で100以上のSEO案件を運用。2002年10月に高梨巧(現株式会社マネタイズ代表)と共に、休眠させていた会社を復帰させ”有限会社ビズスタイル”に名称変更して再独立。約8年ほどSEOエンジニアとしての業務と会社役員としての業務を続ける。2010年、SEM事業を売却。有限会社ビズスタイルを株式会社ビズスタイルに呼称変更、株式会社マネタイズを作る(有限会社ビズスタイルを2分割する形に 2010年12月に、もろもろな理由から株式会社ビズスタイルを退社。以降株式会社マネタイズにて活動。2015年からは株式会社favyにて活動中。

 

 

参考資料:

株式会社FiNC Technologies 南野CTOのご登壇が決定しました。(2019.2.18)
https://six.abejainc.com/news/20190218/

「機械学習のインフラストラクチャー提供が加速」|スマートニュース浜本階生 #2019を読む(2018.12.26)
https://forbesjapan.com/articles/detail/24628

学生起業、事業売却、そして話題のスタートアップへ。モバイルコマース『Origami』のCTOを磨いたビジネスの現場【連載:BizHack】(2013.6.26)
https://type.jp/et/feature/7154

新堀 勝プロフィール
https://www.wantedly.com/projects/175837/staffings/666199