「社員一人当たりの生産価値が高いベンチャー企業ランキング」に続き、
今回も資金調達に注目してベンチャー企業を見抜くJudge100成長の法則をお伝えするとともに
初回で10億以上の資金調達を行ったベンチャー企業を一人当たりの*労働の価値が高い順にランキング形式でご紹介します。
(*具体的には、資金調達額を社員数で割り、一人当たりの労働価値を数値で表しています。今回は累計調達額を社員数で割った数値を労働価値としています。)
目次
1. ベンチャー企業の資金調達額の相場について

資料によると、
1回目の調達時期であるアーリーステージにおける資金調達額は千万単位から10億円を超える企業もいますが、
おおよそ1~8億円に集中しており、中央値は2.6億円だそうです。

出所: 登記情報より500 Startups Japanが作成
ちなみに、ステージがミドル・レイターになるにつれて二桁の資金調達が増えていることが
この図からわかりますね。
以上の調査結果からわかるように、
通常のアーリーステージでの資金調達額の平均は1~3億円にもかかわらず、10億円以上の資金を集めることができたベンチャー企業ということは…
VCがそのベンチャー企業を高く評価したといえますね。


2. 調達しすぎは失敗の元!?
ベンチャー企業にとって、資金調達は大切です。なぜなら、自分たちの会社を運営していくにはお金が必要ですからね。
普通なら、「たくさんのお金を集めた方が有利でしょ!」と思えますが、
実は多額の調達にはいくつかリスク・しない方がいい理由があるのです。
ここでは2つ抜粋して見ていきます。
①お金の使い方を間違える
初期段階で億単位の資金調達を完了した起業家なら、銀行の預金通帳の非日常的な金額に少しくらい震えた経験をしたことはあるのではないのでしょうか?
(へっちゃらだよ〜という方も中にはいますけどね笑)
資本政策をきちんと立てた状態でVCから出資を受けていても、やはり目の前に大金があると人間誤った思考をすることもあります。
“何にお金を一番使うべきか”取捨選択ができなくなり、目先のことにお金を使ってしまいがち。
(「人材を採用するために使うお金を広告宣伝費に全て費やしちゃった!」などです。
これが全て悪いわけではありませんが、「それが本当に一番の使い方だったのか?」と考える必要があります。)
要するに、
本当に割くべきところにリソース(お金)を使い切れない
という事態に陥りやすいのが、多額の資金調達で起きるケースなのです。
②次のラウンドのハードルが高い
ベンチャー企業が資金調達を進めていくことを「次のラウンドに進む」と言います。
ここでは簡単にどちらのラウンドの進み方がベンチャーらしい=成長してそうな企業と思えるか考えてみましょう。
1年目:シリーズAラウンドでVCから「この企業は10億円の価値がある!」と言われて1億円の調達を完了
2年目:シリーズBラウンドでVCから「この企業は100億に価値が上がった!」と言われて10億の調達を完了
1年目:シリーズAラウンドでVCから「この企業は100億円の価値がある!」と言われて10億円の調達を完了
2年目:シリーズBラウンドでVCから「この企業は30億の価値にしかならないかな…」と言われて3億の調達を完了


多額の調達を行っている企業は企業価値が高く評価されています。
それが一回目の調達であれば次のラウンドまでにさらに高い企業価値まで会社を成長させておく必要があります。
つまり、次のラウンドのハードルが高いということです。
「あの時は過大評価しちゃったね…」と言われるのはベンチャー企業にとっても、VCにとってもとても辛いことです。
参照:資金調達のしすぎがスタートアップに悪影響を与える理由:マーク・サスター
3. Judge100成長の法則
「1回目の資金調達額が10億円以上」のベンチャー企業
どうして「1回目の資金調達額が10億円以上」のベンチャーは成長の見込みがあるのでしょうか?
・調達額の相場よりも5倍の額を最初に調達している=成長の期待が高い
・起業家はお金を使うべきところを理解している(資本政策イメージがしっかりしている)
・次のラウンドも進めるベンチャー企業だとVCが判断した
ということがわかります。
リスクのある多額の資金調達を完了した、VCも期待するベンチャー企業は面白そうですね!
4. 初回で10億以上の資金調達を行ったベンチャー企業ランキング
それでは、初回で10億以上の資金調達を行ったベンチャー企業を一人当たりの*労働の価値が高い順にランキング形式で見ていきましょう。