会社概要などを見ていると、“共同創業者”、“Co-Funder”という言葉を見たことはありませんか?
今回は、共同創業者に注目してJudge100成長の法則をお伝えするとともに
共同創業しているベンチャー企業を設立日が早い(設立から年数が長い)順にランキング形式でご紹介します。
エブセレ運営者/代表
VCとスタートアップのことに精通しており、
これまで学生から50代まで累計1000人以上のキャリア相談を
受けてきた20代女性起業家
実際にベンチャーで働きたい相談から、
そもそもベンチャーってどういうの?まで幅広くお話伺います。
目次
1.共同創業者のメリット・デメリット

就職活動をする時でも会社を立ち上げる時でも仲間を見つけます。
その仲間とは、同じ境遇にいる人・同じ感情を抱いている人です。
就活で言えば、「働く場所を探す」仲間。
起業で言えば、「会社を一緒に経営していく」仲間。
一人でやっていくのは少し心細いですよね。でも、仲間がいれば頑張れる。
嬉しいことも悲しいことも共有し、お互いに励ましあったり高め合える、それが仲間だと思います。
会社を立ち上げるにおいて、今回はその仲間である「共同創業者」についてお話ししていきます。
もちろん社員も仲間ですが、より踏み込んだ“共に創り上げていく”、共同創業者についてです。
共同創業者というのは幾つかのメリット・デメリットがあります。
まずはメリット。
・共同創業の方が起業の成功確率が上がる
→成長(スケール)の速度が速くなる、資金調達の額が増える、チームとしての信頼を得やすい
スタートアップはスピードが命と言います。
少し古いですが、2011〜2012年のスタンフォード⼤学が⾏ったStartup Genome Report v2によると
スケールまでの到達時間が創業者1⼈だと2人の時と比べて3.6倍の時間がかかる
そうです。(レポートの49ページから)
スピード命のスタートアップにとっては、この約4倍のスピードの差は命取りです。
複数人いた方が開発スピードも早まります。
仮に大きな問題が生じたときも、一人で悩んで解決策を見つけるよりも
二人で考えた方が単純に脳が2倍になるので解決のスピードも上がります。
人数が直接「起業成功の結果」につながるわけではありません。
一人創業がいけないわけではありません。一人でも成功している方は存在していますからね。
・事業を考える脳が二つになり問題や解決策が通常の2倍増える
・実際に事業を進めていく手が2本から4本に増え行動の幅が広がる
単純に様々なことが2倍になることで結果的に成功への階段を
一人の時より登る時期が早くなりやすいということです。
また、一人より二人の方が周りに与えるイメージも変わってきます。
投資家、特にシード投資を行う投資家(エンジェルやVC)は企業の事業計画や収益性よりも誰がやるのか“チーム”を重視しています。

例えば営業回り。
自分の会社に他企業から二人が面会に来た時、人はどういった印象を得るでしょうか。
「二人も来てくれたんだ!」
プレゼンの発表の時に、一人ではなく二人で発表していたら
「二人で一緒に作って考えたんだ!」
起業の世界でも同様に
二人といった複数人の創業のスタートアップから出資の話をもらった時
投資家はプラスのイメージを抱きやすいです。
チーム、人を見て投資をするエンジェルやシードVCにとって、共同創業がいることはプラスの印象を与えます。
起業家は孤独だ
こうしたことを耳にもしますが、共同創業者がいるということは精神的にも救われます。
少し長くなってしまいました。
メリットはよく聞くから正直聞き飽きしているよ……なんて人も多かったですかね。
次はデメリットに行きましょう。
とはいうものの、共同創業は起業の成功確率が高いと同時に失敗のリスクも高いのが現実です。
先ほど数が2倍になると良いことがあるようにお伝えしましたが、逆もしかりです。
人が2人いると、ぶつかる問題や壁、いわゆる衝突する回数も増えます。
ベンチャー企業が失敗する原因の3本の指にも入るのが「チームの問題」です。
1位:共同創業者(ただし、良い共同創業者に限る)
2位:一人での創業
3位=ワースト1位:共同創業者(悪い創業者と共に)
ベストな共同創業者と出会えれば成功の確率はグンと上がりますが、悪い共同創業者ともなれば
一人で創業している方が成功確率は良かったのに…という事態を招いてしまいます。
事業や今後の将来についてぶつかることはもちろんですが、
ここでは持ち株の分配での問題を考えていきます。
通常、一人で起業して会社を作ることになれば(株式会社の場合)
その会社の株式は全て起業した本人が所有することになります。
Judge100でもお伝えしていますが、100%の株式から
資金調達やストックオプションとしてVCや社員に少しずつ分配されていきます。
では、共同創業の場合はどうなるのでしょうか?
二人で仲良く50%ずつ?
もちろんそれでも構いませんが、半分ずつだと色々問題が起こった時が大変です。
会社を作っていく中で
資金調達をする上でVCに株式を渡す時
社員にストックオプションを出す時
こういった時に、共同創業だとどちらが何割手放すかを話し合っていく必要があります。
そして、株式の一番怖いのが
持っている株式の割合と努力を比較する
ところです。
簡単に言えば、5割ずつ持っていればお互い同じくらいの仕事をしようと思う。
9対1であれば、片方は全力で仕事をしているがもう片方は少々サボり気味でもいいかと感じてしまう…
一見、そんな形のない株式で問題にはならないだろうと思いがちです。
もちろん設立当初はそこまで実態がないですし影響もないかも知れないです。
しかし、実際に自分の会社に企業価値がつけられ、その株式に価値を付与された時に
大きく状況は変わってきます。
人間関係において金銭はトラブルの元と言いますが、株式も同じだけの性質をはらんでいます。
このように共同創業だと、大きなデメリットも存在しています。

まず、共同創業の解決策の一つとして
二人ではなく3人以上を共同創業者とすること
です。
世界ではアップルやフェイスブック、オラクルやAirBnBといったユニコーン企業は3人以上の共同創業です。
日本で見てみれば
グリーやサイバーエージェント、リブセンスやDeNA、面白法人カヤックといった企業が3人での共同創業です。
二人だから株の分配に悩む、ぶつかるのであればもう一人増やすことです。
3人目がいることで、問題が生じて二人が口論になった時も状況が変わってきます。
二つ目の解決策は
二人共同創業の時の株式分割を9対1にすること
です。
共同創業ではあるが、ほぼ創業者に近い右腕といったところです。
このように株式の割合で役割などが明確にされるので
共同創業の時はじっくり話し合うことが大切です。
その時に気をつけるのは
「10年先まで」を考えて、自分がどれだけその事業にコミットできるかを考える必要があると思います。
2. Judge100成長の法則
「共同創業者がいる」ベンチャー企業
「共同創業者がいる」ベンチャー企業はどうして成長の見込みがあると言えるのでしょうか?
それは、
・1人より2人以上の起業の成功率の高さ
・共同創業という難しい経営陣の問題をクリアしている
・創業者の厚い信頼関係
そういったことが読み取れるからです。
二足のわらじ経営により、うまくいっている時は「事業スケール拡大」
うまくいかない時でも、より会社にとって良い選択は何かを考え「ピボットする」決断など
あらゆる問題に対処することができるので、今後の成長見込みが高いと言えます。
違った価値観を持つ人間同士が長い期間を共にできることはそう簡単ではありません。
共同創業のベンチャー企業で働くと、そういった経営陣の信頼関係を間近で見ることができ、
さらにはその輪に入ることができる、仲間・組織というものの形成を学ぶことができる。
そう思いませんか?
3. 共同創業しているベンチャー企業ランキング
それでは、共同創業しているベンチャー企業を設立日が早い(設立から年数が長い)順にランキング形式で見ていきましょう。
(*設立から年数が経っていてもなお共同創業である=組織として成立しているベンチャーであると言えるため)