今回は、資金調達に注目してベンチャー企業を見抜くJudge100成長の法則をお伝えするとともに
資金調達を多くのVCから行ったベンチャー企業を直近調達日の早い順にランキング形式でご紹介します。
(具体的に、調達の回数とVCの数を考えていきます)
エブセレ運営者/代表
VCとスタートアップのことに精通しており、
これまで学生から50代まで累計1000人以上のキャリア相談を
受けてきた20代女性起業家
実際にベンチャーで働きたい相談から、
そもそもベンチャーってどういうの?まで幅広くお話伺います。
目次
1. 資金調達と株式の数と価値
今までVCについて色々な解説(ラウンド/株式/CVC/リード投資など)をしてきました。
今回は本題に入る前に、少し資金調達をした際の“株式の保有率”についてお話をしたいと思います。
(株式についての解説はこちらをぜひ)
VCはベンチャー企業に出資をしたときに、お金の見返りとしてその会社の“株式”を受け取ります。
では、その株式はどれくらいベンチャー企業からもらえるのでしょうか。
A社の成長率は極めて高く、将来が期待されています。一方B社はA社より成長率が低い会社です。
そしてこの時、A社に出資をしたいという投資家は5人いました。B社に出資したいという投資家は一人しかいませんでした。
(投資家:Mさん/Nさん/Oさん/Pさん/Qさん)
MさんはA社に4億円出資、NさんはA社に2億円出資、OさんはA社に2億円出資
PさんはA社に1億円出資、QさんはA社に1億円出資といった風にそれぞれの投資家が、A社に出資を行いました。
この時、A社から投資家にそれぞれ株式が配られました。
Mさんは40株、Nさんは20株、Oさんは20株、Pさんは10株、Qさんは10株をそれぞれもらいました。
B社には、Mさん一人だけで10億を出資を行いました。そして、B社から投資家に株式が配られました。
Mさんは100株もらいました。
例を見たらわかると思いますが、
B社と比べてA社には5人もの投資家が出資を行ったため、もらえる株式の数はMさんとQさんを比べると30株も差があります。
一方、B社にはMさんのみが出資をしたので100株がMさんのものになりました。
このように、
1つの会社に出資する投資家・VCが増えるほど持てる株式の数(割合)は減っていきます。
株式がどういうものかを考えなかったとしても、数は少ないより多い方が良いというのは皆さんもイメージできると思います。
ですが、QさんはA社に出資をしたため、保有する株式の数は少ないです。
A社ではなくB社に出資をしていればもう少したくさんの株式を持てていたかもしれないのに、です。

A社の株式が1株あたり1000万円、B社の株式が1株あたり10円だとしたらどちらの株式が欲しいですか?
もちろんA社の株式と答える人がほとんどだと思います。
A社とB社で株の価格に差がある理由は明白です。
A社の方がB社よりも「成長率が高い」からです。
つまり、Qさんは確かにB社に出資をした方が持てる株式の数は多いですが、
将来成長するベンチャー企業はどちらかを考えた時、
圧倒的にA社の方が成長見込みが高かったため、株式の数は少ないがA社に出資をし、A社の株を受け取ったのです。
2. Judge100成長の法則
「資金調達を3回行い、出資元VCが5社以上」
どうして「資金調達を3回行い、出資元VCが5社以上」のベンチャー企業は成長見込みがあると判断できるのでしょうか。
それは、
「多くのVCが目利きを行っている」→持株が低い割合でもラウンドに参加してそのベンチャー企業の株式が欲しいと思うほどの魅力がある
ということが読み取れます。
先ほどにもあるように、通常同じベンチャー企業に多くのVCが投資を行っている時、VC1社あたりの株式の数は減ってしまいます。
しかし、成長率が高いベンチャー企業の方が同じ株式でも価値が高く、
株式の数が減っても価値ある株式を持ちたいと考えるのです。
3. 資金調達を多くのVCから行ったベンチャー企業ランキング
それでは、資金調達を多くのVCから行ったベンチャー企業を直近調達日の早い順にランキング形式でご紹介します。
(具体的に、資金調達3回完了し、出資元VC5社以上のベンチャー企業を見ていきます)
次は株式の数の大小ではなく、株式の価値に着目してみましょう。